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プロイセン×ハンガリー*APH

2009-10-01 20:33

「エリザッ…!!」


前を歩く髪の長い女に声をかける。あの腰まである亜麻色の髪。右側にある花の髪飾り。何年、何十年、何百年、見ていた。ずっと見ていたんだ。間違えるはずがない。
呼んだ女がゆっくりと振り返る。長い髪を振り撒いて、視線を合わせた。


「どうしたのよ、ギルベルト。そんなに慌てて」


エリザをずっと、走って探していた所為か口からは荒い息が絶え間なく出続ける。だから、彼女を見つけた瞬間、口が勝手にエリザの名を呼んでいた。むしょうに嬉しくて、仕方なかったのだ。
最近、やっとの事で、エリザと付き合い始めて、自身を見つけてもフライパンを出さなくなったし、ちゃんと意識した目で見つめられる。それだけでたまらなく嬉しかった。
今だって、平然を装っているが、頬を少しだけ赤らめている。突然、現れた自身に対して、驚愕して、動揺しているのだろう。彼女が考えている事を想像するだけで楽しい。


「なぁなぁ、今週の日曜は暇か?」
「うーん…確か予定入ってなかった筈だけどー、」


人差し指で顎を差し、思い出している。彼女は一応、国を持っているのだから、休日なんていうものは関係ない。休日だろうが平日だろうが、関係なく忙しい時は忙しい。だから、エリザのその答を聞いて、ほっとした。
ルートが折角、譲ってくれたチケットを無駄にしてたまるか!


「じゃあ、俺ん所の新しく出来た遊園地でも2人でいかね?」
「は?遊園地?」
「ああ!」


エリザはぽかーんと間抜けに口を開いている。突然の誘いに驚いているのだろう。それもそのはずだ。自分達は付き合ってからデートらしきデートはしていない。何処かに出かけたとしてもいつも、貴族やルートが居た。だからコレが、初めてのデートともいえる。
正直、今、かなり緊張している。鼓動が無駄に早く動き、手に持っていたチケットを半ば押し付ける。


「じゃあ、日曜10時に駅でな」


エリザの返事も聞かずに、その場を去る。嗚呼、どうしようどうしよう。勢いで渡してしまったが、来てくれるだろうか。エリザが来てくれる事をひたすらに祈った。



初デートの誘い方
(半ば無理矢理だったけれど、どうなる事か)
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