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2025-08-16 11:17

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学園アリス*棗×蜜柑+翼

2009-10-02 12:33

泣きそうな顔が一瞬見えたと思った次の瞬間、可愛くラッピングされたビニールの袋が顔に投げつけられた。
怒ろうと思ったが、もう彼女は教室から出て行っていた。
馬鹿な事をした。…自覚はある。
今回は絶対に自分が悪い。
自分から謝らなければいけない。彼女は今回一切悪い事はしていない筈だ。
近くにあった椅子を蹴る。むしゃくしゃして堪らない。
刹那、彼女が出て行ったドアが開いた。
彼女が入って来たのかと期待したら、その期待は虚しく入ってきたのは特力クラスの目の下に星マークがある輩だった。


「あれー棗じゃーん。どうしんたんだよ、さっき蜜柑が泣きながら出て行ったのが見えたけど?」
「お前には関係ねぇよ」
「あっお前が泣かしたなー!!蜜柑を泣かすなよー」
「だからお前には関係ねぇっつってだろ」


他人と蜜柑の話しているだけで苛苛する。
今すぐにでも彼女に謝りたい所だが、プライドが邪魔をする。
プライドが高い自分の性分が時に嫌らしくなる。
翼は今の状況で棗と蜜柑の今何が起こってるか把握が出来、口元を誇らばせると科白を零した。


「まぁお前の事だから本音と反対のコトを言ったんだろうけど、偶には素直に言えよ」


言いたい事を言うと、翼は背を向け、ポケットに手を入れながら教室を後にした。
アイツに言われた事は本当の事であり事実だ。
先程彼女から貰ったクッキーを食べる。
サクッと音を立てて口の中にバター味が広がる。


「美味いじゃねぇか…」


つい10分くらいの前に戻れるとしたら、その時の自分を殴りたい。
何で、不味そうといってしまったんだろう。
貰ったクッキーを全部食べると、空っぽになった袋を持って彼女が居るだろう場所に行く。
彼女に何て言おうか。素直に美味かったと言うべきだろうか。
取り敢えず、最初不味いと言う科白だけは、撤回しなければ―――。


嘘と本音の気持ち
(ゴメンって言って、それから、)
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