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こばなし
ナマモノですので、追記から。
そのメールを見た瞬間、思わず椅子からずっこけてしまった。飲んでた珈琲もこぼしてしまった。
(おいおい、嘘だろ……)
メールの内容については、今から某公園に来て、との事。因みに、今の時間は丁度、12時を過ぎた頃。仮にも芸能人である自分達が、真昼間の公園で会うなんて、無謀に近い。自分達の関係は、まだ公に晒されていないのだから。痴呆ではない彼女はそれを承知している筈なのに。
と、悶々と悩んでいると、彼女から、また、新たなメールが届いた。
『早く来て』
(ああ、もう…!!)
色々と考えたって、どうせ、彼女の言葉には逆らえないんだ。
翔太は急いで、ジャケットを羽織り、家の外へと出かけた。
「遅いんだけど!」
「ごめんごめん、これでも急いで来たんだよ」
「もーっ!」
公園に着くと、ベンチに1人で座ってる彼女が視界に入り、すぐさま駆け寄ったのに、お咎めされてしまった。
「で、どうしたの?行き成り、こんな所に呼んで」
「…ラーメン食べたくなって」
「はい?」
思いがけない返答に、呆けてしまう。驚いた表情で、彼女を見つめると、どこかふてくされたような表情をしていた。それは、まるで、子供がおもちゃを取上げられたかの様な―――。
「ラーメンじゃなくても、何でも良いから、とりあえず翔太君と一緒に何処かで食べたいの!」
「ど、どうしたんだよ、行き成り、そんな、」
「……だって………最近、しょーた君と会えてないんだもん…」
「えりか…」
確かに、彼女と最後に2人きりで会ったのは、もう1ヶ月も前の事だ。今日だって、自身はオフの日だったけれど、彼女は映画の撮影をしていた筈だ。…どうせ、彼女のことだから、上手く言いくるめて、抜け出して来たのだろう。
「分かったよ。今すぐ行こう」
「え…?」
「えりかが言ったんだろ?ほら、早く行くぞ」
「う、うん…!」
2人で手を繋いで、駆ける。お互い、帽子やサングラスを外して。
OuT oF reality
(今だけはあなたと2人だけ)